19-2.転位平歯車の計算式
19-2.転位平歯車の計算式
記号説明及び単位
1.中心距離増加係数
y=a
x
/m-(z
1
+z
2
)/2
y=
a
x
:中心距離 [mm]
m:モジュール
z
1
:歯車1の歯数
z
2
:歯車2の歯数
2.かみあい圧力角
α
b
=Cos
-1
(Cosα
0
/(2*y/(z
1
+z
2
)+1)) [度]
α
b
=
α
0
:圧力角[度]
y:中心距離増加係数
z
1
:歯車1の歯数
z
2
:歯車2の歯数
3.転位係数の和
x=x
1
+x
2
=(z
1
+z
2
)*(invα
b
-invα
0
)/(2*tanα
0
)
=(z
1
+z
2
)*((tanα
b
-α
b
)-(tanα
0
-α
0
))/(2*tanα
0
)
x=
α
b
:かみあい圧力角[度]
α
0
:圧力角[度]
z
1
:歯車1の歯数
z
2
:歯車2の歯数
4.転位量
x
1
*m=
x
2
*m=(x-x
1
)*m
=
x:転位係数の和
x
1
:転位係数1
m:モジュール
5.ピッチ円直径
d
01
=z
1
*m [mm]
d
01
=
d
02
=z
2
*m [mm]
d
02
=
z
1
:歯車1の歯数
z
2
:歯車2の歯数
m:モジュール
6.基礎円直径
d
g1
=d
01
*Cosα
0
[mm]
d
g1
=
d
g2
=d
02
*Cosα
0
[mm]
d
g2
=
d
01
:ピッチ円直径1 [mm]
d
02
:ピッチ円直径2 [mm]
α
0
:圧力角 [度]
7.かみあいピッチ円直径
d
b1
=d
g1
/Cosα
b
[mm]
d
b1
=
d
b2
=d
g2
/Cosα
b
[mm]
d
b2
=
d
g1
:基礎円直径1 [mm]
d
g2
:基礎円直径2 [mm]
α
b
:かみあい圧力角 [度]
8.歯末のたけ
h
k1
=(1+y-x
2
)*m
h
k1
=
h
k2
=(1+y-x
1
)*m
h
k2
=
y:中心距離増加係数
x
1
:転位係数1
x
2
:転位係数2
m:モジュール
9.全歯たけ
h=(2.25+y-(x
1
+x
2
))*m
h=
10.歯先円直径
d
k1
=d
01
+2*h
k1
[mm]
d
k1
=
d
k2
=d
02
+2*h
k2
[mm]
d
k2
=
d
01
:ピッチ円直径1 [mm]
d
02
:ピッチ円直径2 [mm]
h
k1
:歯末のたけ1
h
k2
:歯末のたけ2
11.歯底円直径
d
r1
=d
k1
-2*h [mm]
d
r1
=
d
r2
=d
k2
-2*h [mm]
d
r2
=
d
k1
:歯先円直径1 [mm]
d
k2
:歯先円直径2 [mm]
h:全歯たけ
用語説明
1.転位歯車
転位歯車とは,インポリュート歯車で,パックラッシなしに基準ラックとかみあわせたとき, 基準ピッチ円と基準ピッチ線とが接しないもの。
2.圧力角
歯面の1点において,その半径線と歯形への接線とのなす角を圧力角というが,普通には ピッチ点の圧力角を意味する。
3.カミアイ圧力角
一対のかみあっている歯車のカミアイピッチ円上における圧力角。
4.モジュール
基準ピッチを円周率で除した値。歯の大キサを定めるものであり,ミリメートル単位で表わす。
5.転位係数
転位量をモジュールで除した値。ハスバ歯車では転位量を正面モジュールまたは歯直角モジュールで除した値を,それぞれ正面転位係数,歯直角転位係数という。
6.カミアイ率
接触弧の長サを円ピッチで除した値。インボリュート歯車の場合には,カミアイ長サを法線ピッチで除した値に等しい。
7.カミアイピッチ円
一対の歯車がかみあったとき,互いに相接しコロガリ運動をする,それぞれの歯車に属する円。これらの半径は,中心距離をそれぞれの歯数比で比例内分(外分)した値である。
8.基礎円直径
その伸開線としてインボリュート歯形が作られる円の直径。
9.歯末のタケ
歯車のピッチ円と歯先円の半径差。
10.全歯タケ
歯の全体の歯タケ方向の長サ。歯末のタケと歯元のタケとの和に等しい。
引用文献:「円筒歯車の設計」 (近畿歯車懇話会編) 日本工業規格 JIS B 0102-1966 歯車用語 第223頁 歯車の種類より引用。