8-3.ステンレスの種類と特徴

種類の記号 特徴
SUS302 18Cr−8Ni 鋼の基準型。SUS303・SUS304はいずれもSUS302に改良を加えたもの。 Ni 添加により耐蝕性・機械的性質が良好。
SUS303 SUS302に S・P を添加して切削性を向上したもの。ただし、耐蝕性はやや劣る。Mo を添加し、 耐蝕性を改善している。
SUS304
SUS304L
SUS302の改良型で、炭素量が少なく耐蝕性・溶接性にすぐれている。オーステナイト系 ステンレスのなかで最も標準的なもの。
SUS304Lは、SUS304より炭素量を低くして、粒界腐蝕性・溶接性を向上したもの。
SUS316
SUS316L
Mo 添加により耐蝕性(孔蝕)・耐酸性が良好であるとともに、高温強度が大きく、耐熱鋼として 用いられる。
SUS316Lは、SUS316より炭素量を低くして、粒界腐蝕性・溶接性を向上したもの。
SUSXM7 SUS304にCu を添加して、冷間加工による加工硬化性を抑制したもの。
SUS430 18Cr 鋼の基準型で冷間加工性・耐蝕性が良好。価格が低廉であるため、多くの用途で使用される。
SUS434 SUS430にMo を添加して耐蝕性を改良したもの。
SUS410 マルテンサイト系の代表的なステンレス鋼。熱処理後の機械的性質と耐蝕性にすぐれている。
SUS403 Si・Cr の成分範囲を小さくして、耐蝕性の向上と熱処理後の靭性を改良したもの。バルブ・ ポンプシャフト・刃物・ボルト・ナット・蒸気タービン翼・ジェットエンジン部品などに用いられている。
SUS416 S・P の添加により13Cr 鋼の切削性を向上したもの。耐蝕性は基準型よりやや劣る。
SUS431 Ni 添加により靭性を改良し、Cr の添加により耐蝕性を改良したもので、熱処理のきく マルテンサイト系では耐蝕性が最も良好。製紙機械・船舶用シャフト・航空機部品などに用いられている。
SUS440C ステンレス鋼のなかで最も硬度が高く、耐摩耗性にすぐれており、ダイス・玉軸受などに 用いられている。